2019年(平成31年)1月2日(水)
セビリアの滞在はひたすら失敗でした。
この2つの町はセビリアよりもずっと小さい町なので、元旦に回るのはリスキーだと思ったからです。
でも、先に書いたようにセビリアも主要な観光地は休み、
コルドバも早々に閉まっており、元旦の過ごし方はいまひとつ。
今思えば、ヘレス、カディスを元旦にしておけば、町が静まり返っていたとしても、少なくともヘレスではシェリー酒ワイナリーが見学できたし、カディスでは海が見えたので、先に行くべきだったと少し悔いが残っています。
ましてやこのふたつに入場していればコルドバに行く時間もなかったでしょうし、決断力のない自分をいつまでも悔いているのはバカバカしいことだと思います。
でも、なにしろこの2日目も大変な1日となりました。
でも、とにもかくにももう決めたこと。
もう窓口の使い方も覚えていたので、番号札を取ってさっさと買えました。
前日に買うと、いかにもrenfeっぽい大きなチケットです。
帰りにヘレスへ寄るので往復割引が使えない分、若干高めです。
くどくど言うなら、COMESバスを選択していれば、時間はほぼ同じで13.5EUR。
なにを選択しても上手くいかなかったのがセビリアでの2日間です。
でも列車の方が楽は楽。車内もきれいです。
アンダルシア地方の地図を載せておきます。
これから行くカディスは、ご覧のとおり大西洋に面しており、紀元前から貿易港として栄えていたスペイン最古の町です。
内容はさっぱり記憶から抜け落ちていたので読み返そうと思って書棚を見ると、この本はありませんでした。
最長でも9年住んでは引越しを繰り返していたので、処分対象だったのでしょう。
スペインのフラメンコギターの話とくれば、もう一度読んでみたいな~
(後日再読しました。あぁ、これはきっとあそこだ!と思うことが多く、とても楽しめました)
カディス駅に到着しました。
外へ出ると、要塞らしき壁。
古くから栄えたということは誰もが欲しい拠点でもあるので、たびたび狙われた地だったようです。
港には、客船も寄港していました。
でも、駅に降り立ったのは20人ほど。
人気の観光地とはたぶん言えません。
9時半を前に人通りも少ないですが、なんとなく中心地の方角はわかりました。
少しわかりにくい路地を適当に歩くと、いきなりカディス大聖堂の前に出ました。
植えられている木を見ると、ここがかなり暖かい地であることが想像できます。
(まさにこのあたりが「カディスの赤い星」の舞台のひとつになっています)
大聖堂のすぐ裏は海。
当初予定していたミハスやフリヒリアナなど、アンダルシアの白い町と青い海を巡る
計画を断念したので、どうしても海が見たかったのです。
朝の海の色が濃いよ~
海はあとでまた見に来ましょう。
こんな路地を歩くには、グーグルマップからの地図では役立たず。
でも、カディスの人は親切で、なんとなくチラチラと視線を感じました。
尋ねてみると「こっちよ」と、待ってましたとばかりに教えてくれました。
中央市場に到着すると、すぐ傍にスーパーを見つけました。
市場では旅行客が買えるものって少ないもんね。
まだこのあとヘレスへも寄るというのに、早速買ってしまったのがバター。
前にフランスでチーズと間違えて買ったバターがあまりに美味しかったので、ヨーロッパではバターはマストと思いつつ、つい忘れるのがこれ。
しかも、フランス産のバターで有名なのはエシレと知りつつ、なぜか現地に到着するとその名を忘れてしまう私。
上のPRESIDENT 2.75EUR(350円)はフランス家庭で定番のものだそうです。
もうひとつのは1.42EUR(180円)、DOUXは「無塩」の意味。安過ぎよね。
白カビチーズ2.55EUR(330円)、ハーブ入りクリームチーズ1.57EUR(200円)
ハムは見てのとおり1EUR!
中央市場は、なかなかきれいな施設でした。
入口を入ると外枠ぐるりとハムやチーズなどの店が囲っていて、さらに内枠の入口があります。
内枠の外側には果物の店が多くありました。
このあたりは空が見える通り、多少屋根はあるもののほとんど外です。
そして内枠の中は屋内になっていて、ここはほとんどが魚売り場。
ただ、9時開店のこの市場で朝の10時はまだ早いのか、ほとんどが閉まっています。
イカを見ると、確かにいろんな名前で売られていました。
前夜注文してしまったchocs、ほかにもcalamariやanillaという文字も見えます。
左端のanillaは「指輪」の意味だったので、そのまんまイカリングですね。
ここはマグロでも有名なところで、豪快に切り分けて売られていました。
ヒレっぽいのはなんだろう?
昼になれば市場で買ったものを調理してくれる場所も開くらしいのですが、それは待っていられません。9時にオープンしているずの魚介のフライの店を探しに行きます。
ところが、閉まっています。
店内に人が見えたので聞いてみると、11:30開店とのこと。冬だから?
あと30分とはいえ、私たちに時間はありません。
ヘレス行きの電車は11:40か12:40なのです。
仕方がないので向かいにあるレストランで、フライの盛り合わせを頼みました。
フライは普段はあまり食べないので、盛り合わせは多いような気はしていました。
でも、どれか一種類そればっかり出てくるのもなぁ ・・・
と頼んてみると、がーん。
と頼んてみると、がーん。
なんと最悪なことにほとんどがイカ。
名を変え、形を変え、さまざまに売っているイカばっかり。
かろうじて味の違っていたのが、サメの酢漬けのフライ。
酸味があってなかなか美味しかったけれど、到底食べきれる量ではありません。
(左上に乗っている塊がそれ)
考えてみれば、ムール貝のワイン蒸しあたりを頼んでおけば、食べ終えたころには魚介のフライのお店が開店したはず。テイクアウト専門店だったので、欲しいのを買って駅へ向かっておけば、こんなにイカに攻め込まれずに済んだのかも。
ビールは1.5EUR(190円)と安く、合計で26EUR(3,300円)。
でも、評価通りここ Cafeteria Andalucia は大ハズレ。
しかもクレジットカードの表示を掲げておきながら現金のみでした。
11:40の電車には間に合わないとわかったので、もう一度海を見に行きました。
海岸沿いを走る道路のすぐ脇にカディス大聖堂があります。
大聖堂を背にして左右を見ると、大西洋が広がっている ~
海の色はだいぶ明るくなっていました。
ぽつんと遠くに船も見えるんですが、見えるかな。
観光案内所の前を通って駅へ急ぎます。
まだ40分あるのですが、切符を買わなければなりません。
人の少ないところとはいえ、また並んでいたら大変。
切符売り場では5,6人待っていました。
それがまた遅いのなんのって。私だけでも機械のエラーなどもあって15分以上かかり、発券が終わると出発10分前を切っていました。
老眼のおじーちゃんでしたからね、PCの小さい字がまた見えないんですよね。
ヘレスへは34分で到着します。
シェリー酒のワイナリー見学に参加しようと目論んでいましたが、滞在時間は3時間ぽっちりで発券しています。
なぜって?
前日の Los Gallos のフラメンコが消化不良だったので、朝、空きのあったタブラオに4度目のフラメンコの予約をしてしまったからです。
でも、3時間もあればなんとかなるはず。きっと ・・・たぶん・・・
カディス駅を出発してしばらくすると、両脇が海になる場所があります。
はじめに載せた地図をさらにカディスのみフォーカスするとよくわかります。
もともとカディスは島だったそうです。
橋ではなかったので埋め立てて道を通したのか、長い年月の間に浅瀬に土砂が堆積して陸続きになったのかはわかりませんが、タスマニアでブルーニー島へ行った ときと同じく、どちらを見ても海。
時間があれば降りて砂浜を散歩したかったな~
1月半ばから2月までウニ祭、2月末からは10日ほど続くカーニバルがあるし、太平洋に面したところにパラドールがあるので、そこへ泊まるのもよし、カディスでの観光は、まだまだ充実したものにできると思います。
ヘレスへ行かず、もっと海辺を散歩して夕焼けを見てから戻るのもアリだったかも。
でも、バタバタと先へ急ぎます。