英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【フランス】世界遺産のリヨン歴史地区 古代ローマ劇場&リヨン=ノートルダム大聖堂

2024年(令和6年)1月6日(土)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスに滞在中です。前回はリヨン歴史地区の夜と朝の散歩の話を書きました。

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朝の散歩が続きます。ここからは世界遺産の建物を巡ります。そのひとつ、リヨン・ノートルダム大聖堂がフルヴィエールの丘の上に見えています。

 

でもその前に、川沿いのマルシェの向こう岸に見えていたサン・ジャン大聖堂から始めましょう。

 

サン・ジャン大聖堂はロマネスク様式とゴシック様式と併せ持った建築で、1175年に着工し300年以上かけて完成しています。完成までに100年以上かかるのは、なにもバルセロナサグラダファミリアだけではないんですね。

 

中はシンプル。そうそう、これ。中央に祭壇や聖歌隊席が別に設けられていなくて、中へ入れば正面までズドーンと見えるこのスタイルが、これまで多く見てきた教会建築でした。

 

側廊はリブ・ヴォールトで、全体にすっきりした造り。

 

色とりどりのステンドグラスがとても美しい。宗教画が描かれているタイプのものではありません。

 

パイプオルガンは側面に張り付けられるように立っています。バラ窓も美しい。

 

ステンドグラスの中でも正面祭壇が圧巻。美しいブルー基調のステンドグラスには、テーマに沿った物語が描かれています。

 

初期ゴシックの特徴が表れていると書かれていますが、いくつか教会建築をレクチャーした動画を見たものの、いまひとつ理解できていません。半円ドームのアプスがあって、身廊と側廊があればバシリカ様式というところまでは覚えたのだけど。

 

ステンドグラスの制作は、いずれも異なる制作者による作品らしい。完成まで300年もかかっているんだもんね。入口上のバラ窓のデザインも先ほどの袖廊のものとは違います。

 

翼廊に礼拝堂が設けられているのはこれまでと同じ。教会の建築様式を理解することはなかなか難しいです。もちろん、何百年もかけて造られているのだから、そのときどきの流行りが取り入れられたり、建築技術が上がることも当然かもしれません。

 

サン・ジャン大聖堂を出てフルヴィエールの丘を登ります。ケーブルカーで上ればすぐなのだけど、翌日にはリヨンを離れるので、24時間券を買う場合ちょっと時間が早い。歩いて上ることにしました。

 

街並みはいかにもフランスらしい美しさがあり、いつもであれば徒歩でも気にならなかったと思います。

 

でも、空は雨模様。ロストバゲージのまま服も着たきりで傘すらありません。こういうときこそ、お手軽な手段で異動しておくべきでした。

 

急な坂道と急な階段を上り続け、坂道ゆえに地図もいまひとつどこを指しているか不確実。しかも小雨も降り出しました。

 

そう、これで上っておけばよかったんです。たかだか20分ぐらいのことと思っていましたが、着替えすらできないことは思っていた以上に堪えていて、気分の上がらないまましんどいことをする必要はありませんでした。

 

でもたぶん、目的地はこっちで合っているはず。

 

現れたのはフルヴィエール古代ローマ劇場(Théâtre Gallo Romain de Lyon-Fourvière)です。2世紀初頭に作られたと考えられています。

 

ここにはふたつの円形劇場があり、向かって左側がOdeon of Lyonで、紀元前に造られたと書かれているようですが、いまひとつふたつの関係が私には理解できていません。とにかく古代ローマ遺跡だ(笑

 

Odeon of Lyonの方が少し小ぶり。

 

左手にはガロ・ロマン文明博物館があり、ローマ遺跡やこれら円形劇場について知ることが出来ます。

 

円形劇場は今もイベントに利用されており、1万人が収容できるそうです。遺跡をそのまま使っちゃうって、すごい。

 

ローマ劇場を過ぎて少し先へ行くと、リヨン=ノートルダム大聖堂に到着です。

 

市街地から見上げるとノートルダム大聖堂と同じように目に入るのが、エッフェル塔からインスピレーションを受けて建てられたという電波塔です。

 

リヨン=ノートルダム大聖堂は、パリのノートルダム大聖堂と区別するためにフルヴィエール大聖堂とも言われています。

 

1872年に建築を開始している比較的新しい建築でありながら、ビザンチンの影響を受けた内装は豪華で荘厳。

 

サン・ジャン大聖堂と同じくバシリカ様式。主祭壇まで遮るものはありません。緑を基調とした独特の雰囲気です。

 

目を奪われるのは側廊に描かれた宗教画。

 

リヨン=ノートルダム大聖堂聖母マリアに捧げられた聖堂で、ステンドグラスやモザイク画はフランスの歴史や聖母マリアの生涯を描いているそうです。

 

それにしても、大聖堂というのはひとつの都市にひとつしかないのではかったっけ?司教座がある教会が大聖堂だったと思うのだけど。

 

天井にも聖母マリア像。ビザンチンの影響を受けているのは、イタリアのラベンナの教会群と同じ流れなのでよくわかります。あそこも世界遺産で本当に美しかったな。

 

建築が始まったのは普仏戦争のあとで、パリのサクレ・クール寺院と同様に社会主義勢力からの勝利の象徴とされる教会だと書かれています。世界史はおあさらいし始めたところでまだまださっぱりわからないのだけど、一時社会主義勢力が台頭した時代があり、キリスト教勢力がそれと戦ったということなのでしょう。

 

プロイセン軍が攻め込んでくるところ、聖母マリアに祈りをささげると敵軍が撤退していったということに感謝をし建設を始めたもので、民間からの献金によって賄われ奉納としての教会という位置づけのようです。

 

ちょうど外は展望台になっており、見下ろすとリヨン歴史地区と同時に、近代的な高層ビルも見えます。真下の教会はサン・ジャン大聖堂、右手に白い観覧車のある広場がベルクール広場で、これから行くことになります。

 

帰りは下りなので歩いても苦にならないのですが、せっかく24時間券を購入して都合のよい時間になったのでケーブルカーで下ります。ところが、何度か券売機をやり直していると前のデータが残っていて合計4枚買うハメになってしまいました。

 

払い戻しはできるはず。でも、駅は無人です。あちこち訪ねてみると、ベルクール広場にエージェンシーがあるという説明を受けることが出来ました。

 

正面奥がケーブルカーを下ったところにあるVieux Lyon駅。ベルクール広場までは5,6分です。

 

駅のそばにある青果店のディスプレイが面白かったので撮りました。このまま出し入れできるので合理的!

 

ベルクール広場には観光案内所もあるし、比較的大きな駅なので、そのどちらかで払い戻しができると思っていたのですが、やっと探し出したのは広場北側に面したところにあるAgence TCL-Bellecourという場所でした。

 

24時間券6.7EUR(1,088円)×2だもの。交通費嫌いの私、こういうのは取り返しちゃう。この勢いでレストランにも入ればよかったな。

 

そろそろランチの時刻。消極的な今回の旅行で、せっかくの美食の街リヨンも終盤です。

【フランス】世界遺産のリヨン歴史地区 夜と朝の散歩

2024年(令和6年)1月5-6日(金-土)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスに滞在中です。前回はロストバゲージで失意の中、荷物もないままに泊まったリヨンでのメルキュールホテルの話を書きました。

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夜のリオン歴史地区。ベルクール広場には観覧車が回っています。地下鉄駅の乗り場で、ここへは翌日地下鉄のエージェンシーを探しにまたやってきます。

 

ホテル近くのメルシェール通りには魅力的なお店が軒を連ねていました。

 

1月5日になってもクリスマスデコレーションが健在。

 

でも、どのお店もメニューがすべてフランス語。更にはネットで検索しても、たいしてどこも評価が高くなかったので、足を運ぶことはありませんでした。でも改めて見ると、いいお店ばかり。あのとき表示されていたのはなんだったんだろう?

 

私たちのホテルはローヌ川とソーヌ川に挟まれた細長い地区にありました。西側のソーヌ川まで来るとフルヴィエールの丘の上にノートルダム大聖堂がライトアップされて浮かび上がっています。川のそばにある白い建物も要チェック。あとでまた出てきます。

 

281mの高台に建つフルヴィエール・ノートルダム大聖堂は、リヨンの街のどこからでも見える象徴的存在。大聖堂めぐりとなった今回の旅行でしたが、最後のひとつです。

 

リヨンはローヌ川とソーヌ川が合流する地点にあり、どちらも春から秋にかけては水上バスのヴァレッポやクルーズ船が行き交う川だとか。ローヌ川はスイスのローヌ氷河を源流に地中海まで流れているので、贅沢なクルーズなんだろうな。究極の旅はクルーズだっていうもんね。

 

対岸に見える白くライトアップされた建物は先ほども登場していました。王権のあったロアンヌ家の宮廷があった場所で、1847年完成の裁判所です。ファサードに24本の柱があることから二十四柱の宮殿として知られています。

 

ランチでお腹がいっぱいだったこともあって、結局、散歩をしただけでホテルまで戻ってきてしまいました。スーツケースが気がかりだったこともありますが届いていませんでした。

 

ポールボキューズ市場からホテルまでの道中で購入したオリーブのパンが夕食。

 

さらに、コンビニでピザとドライフルーツ&ナッツを購入だとは、なんというお粗末さ。いくら待っても届かないスーツケース。着替えのない私たち。ランチを除いては気分の下がる1日でした。

 

翌朝はソーヌ川を渡ってリヨン歴史地区をさらに観光します。まずは、ホテル近くのジャコバン広場からスタート。1885年4人の芸術家へのオマージュとして造られた噴水があります。

 

ソーヌ川へ向かいます。昨夜観たノートルダム大聖堂が見えます。手前に見える教会はサン・ジャン大教会。あとで向かいます。

 

すぐに川を渡らなかったのは、ソーヌ川沿いで土曜日の朝のマルシェが開催中でした。8時20分が日の出のこの時期、9時過ぎにはすっかり準備万端だったので、夜明けを待ってお店を出すのでしょう。

 

牡蠣、海老、そして蟹も!

 

牡蠣は大きさによって価格が異なり、9.7EUR(1,560円)を筆頭に6.1EUR(980円)まで。

 

野菜やフルーツもふんだん。

 

カラフルな野菜はいかにもフランスのマルシェらしい。

 

ポールボキューズ市場でも色とりどりの瓶を見かけたのだけど、これはフルーツジュースなんだろうか?それともアルコール?まさかね。

 

花卉もあれば、クレープのお店もありました。食べたかったのだけど時間が早くて、出来上がりがどんなものかがイメージできなくて買えなかったのだけど。

 

ルクセンブルクでも見たローストチキンの車もありました。こちらはポークも売っているみたい。価格表を見る限りハーフで10EUR(1,610円)は、ルクセンブルクで購入した7.4EUR(1,187円)より高い。やはり物価はフランスが一番高かったかな。

 

マルシェを通り抜けていくと、昨夜も撮った橋が見えてきました。歩行者専用のPalais-de-Justice橋です。意味は正義の宮殿への入口ってことかな。

 

そう、ここが昨夜白くライトアップされていた裁判所です。24本の支柱がきれいに並んでいるのが確認できました。主だった裁判所機能は他所へ移転していますが、控訴裁判所がまだここに残っています。

 

さて。次回から本格的に歴史地区散策に入ります。

【フランス】リヨン歴史地区「Mercure Lyon Centre Beaux Arts」宿泊記

2024年(令和6年)1月5-7日(金-日)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスです。前回はロストバゲージのままリヨン中心部に移動し、美食の巨匠ポールボキューズ市場でシーフードランチに舌鼓を打った話を書きました。

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ランチを終えてホテルへ向かいます。ローヌ川を渡るとホテルのあるリヨン旧市街。

 

美食の街として知られるリヨンだけど、ここを選んだ理由は他にもあって、アフロヘアの元朝日新聞記者、稲垣えみ子著「人生はどこでもドア リヨンの14日間」を読んだことがあったんだよね。住んでいたのはあのあたりかなぁ。  

 

たった14日間なんだけど、暮らすように住まうリヨンでの日常でのあれこれ。今回、メニューがフランス語だというだけで、怖気づいてしまっていた私には彼女の挑戦が少しわかる。ヨーロッパはあちこち行って、今に始まったことじゃなかったのに。

 

こんなアーケードの中のお店は見に行ったけど、近くに百貨店があることにすら気づかなくて、わざわざ2日とも初めに入ったショッピングモールまで行ってたわ。各国へ行ってる割に、旅行の経験値が低過ぎ。もちろんスマホで調べたんだけど、なぜかヒットしなかったんだよね。

 

興味深かったのはゴミ箱。「生ごみは紙袋に入れて」などの指示付き。

 

さて。リヨンもまた世界遺産の街。今回泊まるMercure Lyon Centre Beaux Arts(メルキュール リヨン センター ボザール)は、旧市街の一角に位置しています。ショッピングセンターに直結しているとあるが・・・どうやら背後にあったみたい。知らなかったよ~

 

フロントは狭くてあっさりしていて、ロビーもソファーが2組分ぐらいあっただけ。

 

エレベーターを取り囲むように階段が設置してあるという構造。何度かこのパターンはあったけど、エレベーターが一基なのでめちゃ混む。

 

フロントでロストバゲージである旨を伝え、手ぶらでチェックインする私たち。デポジット50EURが取られました(もちろん返してもらえる)。そして今回このホテルだけがチェックイン時にパスポート不要でした。

 

部屋が狭い。そうでなくとも荷物がなくて凹んでいるところへ、この狭さに詰め込まれるとは。

 

ほら、右に見える黒い扉が入口で、これっぽっちのスペースしかないのよ(涙

 

ベッドからデスクまでの距離もこれだけしかありません。侘しさ倍増。

 

ミネラルウォーターはサービス。

 

そして優秀だったのは、栓抜きが作りつけられていたところ。借りに行ったこともあったので、こんなことでも助かりました。

 

テレビとデスクに並んでバスルームへの入口があります。

 

とてもスタイリッシュできれいなのだけど、とにかく全体に狭い。

 

洗面所からトイレ、シャワールームがオールインワンなので1人でこのスペースを独占するのだけど、シャワールームにドアがないのでトイレがびちょびちょになりがち。

 

しかも、レインシャワーなの。このタイプはとても好きなのだけど、扉のないシャワールームで使うのはなかなか大変でした。

 

そして気づいたことには、化粧品類が皆無の現状。マイ歯ブラシをいつも持参するのですが、それすらない。着替えもない。パジャマもない。

 

歯ブラシは、どこで購入できるかフロントで聞いたところ、出してくれました。今、どこのホテルでもなくしていっているアメニティの代表格。以前は提供していたのでしょう。これだけでも気持ちが救われました。

 

夜のホテル前です。旧市街は南北にスカッと通る車道がないのですが、その中で比較的メインとなるとおりでした。

 

朝食編に続きます。朝食会場は2階だったと記憶しています。土日は7:30オープン。

 

待ち構えるように行くと誰もいませんでした。でも、すぐに2,3人やってきたので、これまでよりも出足早め。

 

品数は非常に少なくて、2日間物足りなさを感じました。ただ、ホットミールがあっただけマシかもしれません。

 

スクランブルエッグだけでなく、オムレツもありましたが作り置き。

 

でも、ゆで卵は作れるようになっていたので食べました。家でするのは面倒なんだよね(鰹節やチーズを削るのは面倒ではないので、そこまで好きではないということかも)

 

ハム類やフルーツなど、種類はとりあえずあると思います。ただ、ほら、あれがないのよ。泡。フランスなのに~ 美食の街なのに~

 

さすがフランス、パンはどれも美味しくいただきました。娘はいつもサンドイッチにしていたので、このごろ私たちもそれを思い出して倣っています。

 

カプチーノが飲めたので、とりあえずOK。焼き菓子などもあるし、4つ星レベルだとこれで及第点と言うべきかなと思います。なにより、旧市街の中心部にあるからね。

 

2泊2食付き55,749円ルクセンブルクよりは少し高く、マドリードよりぐんと安いという価格帯。マドリードとは星の数も違いますが、これをお得というのかどうかが判断の分かれ目になると思います。

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【フランス】美食の街リヨン ポールボキューズ市場「Chez Léon」でシーフードランチ

2024年(令和6年)1月5日(金)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスに到着しています。前回は電車の遅延や搭乗予定機に座席がないなどのトラブルを中心に書きました。

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無事に到着したリヨン=サン・テグジュペリ空港。中心部へのアクセスは往復26.7EUR(4,315円)もするトラム、ローヌエクスプレス(Rhônexpress)一択です。

 

流線型の屋根が見えるので駅はあそこよね。フランス国鉄を利用して地方都市へ行く場合の利便性はいいかもしれませんが、リヨン拠点はあまりないかな。小雨そぼ降る外へ出て、鉄道駅へ向かいます。繋がってないのか。スーツケースがないので、傘もありません(涙

 

帰りにわかったことですが、ぐるっと回れば雨に濡れずに移動できるルートもありました。ただ、リヨン空港は使用していないターミナルがあってそこを通過するのでちょっと無駄な距離を歩くことになります。

 

そして国鉄駅としては立派なのですが、ローヌエクスプレスの乗り場は建物の外。割と虐げられた場所にありました。

 

中心部までは27分。終点のLyon Part Dieu駅はトラム駅ということもあってあっさり。

 

広場を挟んでフランス国鉄駅があります。でも、リヨン空港からここへの国鉄は通ってないの。

 

国鉄駅からさらに道を挟んでWestfield La Part-Dieuというショッピングモールがあります。カラフルな階段がインパクトあり。

 

中はスーパーはCarrefour(カルフール)が入っていて、なかなかセキュリティ厳しめ。買わずに出たい場合は手荷物検査がありました。

 

ショッピングモールって、目当てのお店の存在を知らなければ広すぎて手に負えません。キッチン用品を探したかったのだけど、見つけられず。ただこのお店でBABAを買いました。この旅行の最後のお土産編で紹介しますが、フランスやナポリで見られる伝統菓子です。

 

ショッピングモールを出てさらに先へ進むと、ポール・ボキューズ市場に到着。元はリヨン中央市場で1859年に初めての屋根付き市場として建てられたのですが、100年を経て移転。2006年再改築時に、リヨン在住のフランス料理界の巨匠Paul Bocuse氏に敬意を表しポール・ボキューズ市場と名付けられました。

 

Paul Bocuse氏リヨン在住の3つ星レストランのオーナーシェフで、料理界のオリンピックと言われるボキューズ・ドール賞の創設者。向かいのビルの壁には似顔絵が描かれていました。

 

リヨン郊外にあるポール・ボキューズのレストランへ行くこともできたのですが、着ていく服などを持参すると考えるとハードルが高い。でも、ここなら気軽に楽しむことが出来ます。

 

市場といっても観光客向けに洗練された造りでいて、フランスの最優秀職人賞を獲得した職人がいるなど評判の高いお店が数多く入っています。

 

その数56店舗。

 

ワインなどの食材を扱うお店。

 

ブラッスリーショコラティエ

 

デリカテッセンも豊富な種類が並んでいます。ここで購入してホテルで食べるのも楽しいかもしれません。

 

鴨や豚などのパテを記事で包んで焼き上げたものなどは、これぞフランスを感じさせる手の込んだもの。

 

砂糖漬けの果物もなんだか高級菓子の位置付けっぽい。

 

キウイなら22.95/kg(3,700円)、生姜39.95/kg(6,470円)アプリコット29.95/kg(4,850円)など、高いのか安いのか。1kgってどれぐらいだろう?

 

オリーブの種類もこのとおり。ルクセンブルクで食べたときにも思ったのだけど、塩味控えめでいくらでも食べられるのだろうと思う。

 

肉売場も活気に包まれていました。

 

チーズ売場はよく見ると天井下のパネル裏にミルク、クリーム、バターなどの日本語も書かれています。読めるのかしら。

 

レストランもあります。どこにしよう?と思ってたら、雲丹を見つけました。マドリードサン・ミゲル市場で見つけられなかった雲丹!!! 

 

おお、牡蠣もある!海外で生牡蠣というのは、もしものことを考えると危ない気もするのだけど、残り日数もわずかだから、いいでしょ。

 

シーフードを見るとテンションが上がる。しかも食べそこなった雲丹に出会えた「Chez Léon」。わーい。ここで食べるの決定だよね!

 

時刻は13時。店内は満員でしたが、1席空いていました。

 

フードコートだけど、ちゃんとセッティングされたテーブル。手軽さと気楽さとともに品もある。ちょうど私たちが求めるレベルがこのあたり。

 

ただ、メニューを見てもフランス語のみで、思考回路停止。しょうがない、食材の前に行ってお願いしました。本当に食べたいものを目の前にしたらこういうことでもしちゃうんだ。

 

産地直送だのなんだの、あれこれあった模様。ロブスターや手長海老、蟹や浅利など時間をかけて翻訳すればわかったのだけど、そこまでの余裕もなく。でも、いいのだ。食べたいものは食べられる。

 

魚介だから、たまには白ワインで行きましょう。トゥールーズ産のワイン38EUR(6,140円)は、フードコート価格と考えると高めじゃないかな。

 

でも、よくよく見ると、白ワインのラインナップは28EUR(4,540円)からあったんだよ。落ち着いてみればこのページがワインリストとわかるのだけど、ぜーんぶフランス語メニューだったからギブアップしてしまっておまかせしたんだよね。ま、美味しかったからいいや。

 

男性3人でもプレート2段重ねで黙々とシーフード料理に興ずる。巨漢なんだけど、なんだかおっしゃれ~

 

待っていました。雲丹と牡蠣。下にはパンとバターもセットされました。

 

しっかりしたサイズ感の牡蠣と雲丹です。申し訳程度のレモンではなく、存分に絞ってOK。これもポイントが高い。

 

雲丹 4.95EUR×4=19.8EUR(3,210円) 改めて見ると1個800円って高い?安い?でも、国内で食べることないしね、いいよいいよ。甘くて美味しいし。

 

牡蠣 3.75EUR×6=22.5EUR(3,642円) 1個600円ちょっと。つるんと甘くてジューシー。あぁ幸せ。サイズによって価格も違ったようで、これは高い部類のもの。

 

まだ食べられるよね。というより、あちこちで見られるアレ、食べたいよね。

 

どーんと登場したのはムール貝の白ワイン蒸し。18.8EUR(3,040円)。安い~!!!

 

食べ終わって空っぽの鍋に残る極上のスープ。

 

パンに浸してしっかりいただき、満足度アップ。

 

なんといっても、この量。海外ではこれぐらいがふつうだけど、国内ではなかなかこんなに出てこない。2人で食べきれるの?というほどたっぷりのムール貝を食べられ、これまでのパッとしない一連の食事の鬱憤を吹き飛ばす充実したランチ。合計99.1EUR(16,037円)で見ると、そう高く感じないのではないかと思います。

 

さて、食べ終わって市場をさらに見て回ると、チェックインの時刻となりました。ランチで満足したので、晩ご飯はもう不要。ワインも調達し、美味しそうなパン屋さん、Boulangerie Malatierを見つけたので入りました。

 

こじんまりとした店内には、いかにもフランスっぽくフランスパンが充実しています。(ちなみにフランスで「ブーランジェリー」を名乗るには、店内で粉から製造し、冷凍生地を使用していないなどの条件があるそうです)

 

ワインのつまみになればいいので、オリーブのパンをひとつ。2.2EUR(356円)。塩味が強過ぎないオリーブがよく効いて、思った以上に美味しかった~ もっと買えばよかったです。

 

もうしばらく歩くと、2泊予定のホテルに到着。ロストバゲージは残念だったけど、手ぶらで歩けたのは良かったかな、なんてまだ気楽に考えてたんだけどね。

 

【スペイン&フランス】マドリードでもリヨンでもトラブル続出!飛行機に乗れない?!

2024年(令和6年)1月5日(金)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街でのランチと、マドリードに戻って2度目のフラメンコを鑑賞した話を書きました。

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さて。やっとこの話を書くところまでやってきました。今回の旅行は本当に大変だったんです。まずは朝。空港までの交通手段をマドリード市庁舎のあるシベーレス広場からエアポート・エクスプレス・バスに乗るか、国鉄で行くか直前まで迷っていました。

 

結局、国鉄で向かうことにするのですが、ひとえにそれは、私の交通費嫌いに起因する決断でした。エアポート・エクスプレス・バスは通常アトーチャ駅発で、深夜から早朝まではシベーレス広場発です。そのため、わざわざ広場近くのホテルに移動したのですが、所要時間30-40分運賃5EUR。対して国鉄は所要時間26分2.6EURでした。始発に乗れば7:15発フライトに充分間に合うし安い。そして、バスより電車の方が時間通りに到着しそうと考えて国鉄を選択したのですが、内心はなんとなくバスの方がいいような気もしていました。

このRecoletos駅の画像も3度目の登場です。1度目はフラメンコに行くときに下車し、2度目は近距離切符だったのに乗り継げると思って失敗して、ここで清算。そして3度目の出発日は、なんとどうやっても切符が買えなかったのです。

早朝で駅員もおらず、インターフォンを押しても返答なし。数人の地元民にお願いして見てもらいましたが、なぜかカード決済ができない。刻々と時間は過ぎていくし、乗り遅れるとフライトに間に合うかかなり際どい。確か現金も試したような気がするのだけど、とにかく買えなかったのです。

 

最後には、購入を手伝ってくれた男性が自分の定期券で改札口をあけてこっそり通してくれました。空港行きの場合、改札を通れたら降りるのは問題ありません。心底ホッとしました。男性も向かいのホームで手を振ってくれていました。本当に有難う。

でも、次は電車が一向に到着しません。次の電車の表示も出ないのです。予定時刻より遅れて反対側を電車が通過したとき、もしや?という予感がしました。きっとあの電車が折り返してくるんだろうと。ええ、そのとおり10分近く遅れてやっと乗れました。次には乗ったはいいが、チャマルティン駅付近で徐行を繰り返し、遅々として進まず。それでも改めて画像を確認してみると、空港着まで全体で15分ほどの遅れにしか過ぎなかったようです。

 

最大のトラブルはここからです。マドリードからはフランスのリヨンへ飛びます。マドリードからリヨンへはその曜日、イベリア航空とボロテア航空のみ飛んでおり、イベリア航空で予約していました。

 

誤算は荷物を預けるところから始まりました。予約したチケットでは機内持込みしかできないはずでした。でも無料で預けられると勧められたので、ついお願いしました。昨今、各航空会社は機内持ち込み荷物をできるだけ減らそうとしていることを感じます。

 

スーツケースは機内持込みだからと、せっかくワインの安いスペインで買わずにいたのに、手ぶらでマドリード=バラハス国際空港を見物するほうを取りました。早朝だったので結局お店はどこも開いていなかったのに(苦笑

 

電車の遅延でハラハラしたので、飛行機には乗り遅れないようゲート近くのカフェでパンを買い、軽く朝食にしました。ポルトガル銘菓Pastel de NATA2.2EUR(356円)とクロワッサンサンド3.9EUR(631円)。比較的物価の安かったスペインでしたが高いなぁと感じます。

 

カフェからは搭乗予定の飛行機も確認しました。天気は雨でしたが、無事に空港に到着した安堵もあってホッとしていたんです。

 

最後に空港のトイレへも行きました。

 

ヨーロッパの空港にもレベルはいろいろありますが、最新式の設備で使いやすかったです。

 

さて、いざ搭乗です。列に並び自分たちの番となりました。ところがそのゲート前で、止められてしまったのです。あっちで待っていて、と。他に4,5組の人たちが同じように待たされていました。なぜなのか、私たちにはまったく理解できませんでした。やがて待っていた人たちも1組呼ばれ、2組呼ばれ、残りは私たちと中学生ぐらいの男の子を連れたご家族のみとなりました。

 

でもまだ乗れません。スタッフは走ってくる人たちがいないか、遠くに目を遣っている。やがて、一緒に待っていた親子連れが悲鳴を上げ始めました。ようやく理解したことには、どうやら私たちには座席がないようなのです。

ん?このままいくと飛行機に乗れないの?

ダブルブッキング?いいえ。私は何度も現地の航空券を予約していますが、安さ重視でチケットを購入しているだけで、詳細はあまり気にかけていませんでした。チケットに書かれているSBYの文字とご覧ください。これはスタンドバイと言われるチケットでキャンセルを見越して発券しており、空きがあれば乗れるというものだったのです。そういえば、座席の予約には追加料金が必要だったことは覚えています。でも、そういったパターンはよくあったので、特に問題を感じていませんでした。

 

記憶によると、次の便は夜だったはず。このままマドリードの空港にいるわけ?次は乗れるの?手に汗をかきながら待っていましたが、こんなときに限って次々に乗客がやってくるのです。

もう諦めかけていたそのとき、2人なら乗れると言われ私たちの搭乗が許されました。親子連れの嘆きは本当に気の毒なものでした。でも、本当に気の毒だったのはどっちだったのでしょう・・・トラブルはまだ続くのです。

 

とりあえず乗り込んだ先は先頭の座席、なんとビジネスクラスでした。感染症対策のためか、3人掛けの真ん中を使用していなかったので、私たちが優先されました。

 

ところがボーディングブリッジも外され、出発を待つばかりとなったとき、突然機内の電気がパチパチとフラッシュし始めました。目を開けていられないほどの閃光が走り、誰が見ても電気系統の異常がわかりました。しばらくあとの機内アナウンスによると、修理をするか機体を替えるかの2択で、とりあえず修理を試みるので待ってほしいというふうに聞こえました。皆が落ち着いているので、とりあえず大丈夫なのでしょう。再度ボーディングブリッジが取り付けられました。

 

何人かが機内外をウロウロし、およそ1時間遅れで無事離陸してくれました。はぁ~ よかった。ビジネスクラスにはウェルカムドリンクが配られます。

 

前にも一度、ルフトハンザ航空でビジネスクラスに変更されたことがありましたが、乗れなかったかもしれない飛行機で優遇されるとは、なんたるラッキー。機内食までいただけるとは。

 

ええ。遠慮して1本にしましたが、ワインだっていただいちゃいましたよ。これだけの量でもお腹いっぱいでキツかったのですが、残すわけにはいきません。

 

飛行時間は2時間弱。焦ったけど、楽しかったね~なんて言いいながらフランス、リヨン空港に到着しました。

 

電車の切符が買えず、しかも遅延で焦り、飛行機に搭乗できるかどうかわからなかった、そんなトラブル続きのマドリード空港からの数時間を経て、最後の滞在都市、リヨンにようやくやって来たのです。

 

天候は小雨でしたが、そんなことなど無事の到着を思えば些末なこと。でも、そうは問屋が卸しませんでした。慣れた方ならお気づきかと思います。直前まで搭乗できるかどうかわからなかった私たちの荷物が、リヨンに運ばれているわけがないのです。ええ。いくら待てどもバゲージクレームに私たちのスーツケースが現れることはありませんでした。

 

私たちだけでなく、何人かが同様にロストバゲージでした。係の人を見つけると、機械で登録できるようでサポートしてもらえました。おそらくリヨン滞在中の2日間のあいだには届けられるのでしょう。でも、手元には何もありません。やっぱり荷物は機内持込みに限ると痛感しました。1時間以上遅れて、空港を後にします。

 

手元にあるのは、旅行の行程表と現金やクレジットカードのみ。夜の便があるのだから、遅くとも明朝には・・・届けられるよね?

 

【スペイン】世界遺産トレド旧市街「Asador a la Brasa」でランチ&フラメンコ鑑賞

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街で見学したトレド大聖堂について書きました。

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ランチはあちこち覗いてみたけれど、いまひとつしっくりくるところがなくて、最後に選んだのがAsador a la Brasa

 

なぜレストランが選びにくかったかというと、スペイン語メニューだったから。せめて英語メニューじゃないと何がなんやらわからないのだ。イタリア語ならまだ想像がつくんだけど。

 

そんなわけで、決め手は英語メニューがあったこと。

 

カウンターのある1階から2階へ案内されました。

 

階段途中からカウンターを見下ろすと、なんとなく雰囲気のいいお店って感じがわかるかと思います。でも調べてみたら、向かいにも同じ名前の店舗を持つお店があり、そこは観光地のド真ん中だから避けようと言っていたところでした(笑

 

開店間もなくだったので一番客でした。でもその別棟のお店は既に満員だったから、まぁ流行ってるんじゃないの。

 

この明かりの赤が画像に反映するので、やたら赤い画像が以下に続きます。

 

CAVA20EUR(3,240円) まぁお手頃価格です

 

ブッラータのサラダ16EUR(2,590円) ブッラータが丸ごと入っていて食べごたえあり。

 

ARROZ NEGRO23EUR(3,720円)

パエリアではなく、アロスをわざわざ頼んだんです。ほかのはすべてパエリアと書いてあったけど、これだけはARROZだったから、スペイン雑炊のカルドソみたいなのだったらなぁと期待したのだけど、いや、やっぱりパエリアだったよ。でも、搾ったレモンがよく効いてめちゃ美味しかったからいいや。

 

59EUR(9,550円) ところがここでは、どれを使ってもカード決済ができませんでした。諦めてセゴビアで高額紙幣を崩した残りなどを足して現金決済だったので、当時のレートの7,130円換算となりました。やっぱり現金を持っていないのもアブナイですね。

 

ちなみにトイレも潜入しています。レストランのトイレでいまひとつだった経験はナポリぐらい。たいていどこも及第点です。

 

ほら、ね。ナポリはたぶんスタッフに鍵を借りていかなくちゃいけなかったんだと思います。汚れているというよりは、鍵なしでハラハラでした。

 

さて。トレド大聖堂とランチですっかり満足して旧市街を後にしてしまった私たち。15:25の電車に乗ってマドリードへ戻ります。21:30まで電車があるので、夜景を見ても日帰りで行けるところが魅力かも。

 

トレドの手荷物検査はホームにて。

 

いつだったかのテロのあと、取り入れられるようになった手荷物検査に最初に遭遇したのは2016年1月ローマからナポリへ行くときだったと思います。ほとぼりが冷めて止めるのではなく、すっかり定着なのね。

 

さて。この日はマドリードで2回目のフラメンコ鑑賞でした。前回がいまひとつだったので期待して向かったのはEssential Flamenco

 

1ドリンクがついて35EUR+税(6,179円)。前回の25EURに比べてぐんと高いし、期待していいよね。ただ懸念は1公演目は35EURだけど、2,3公演目は40EURと高くなるところ。体が温まってからの公演は高いと聞いたことがあるし、ダンサーのレベルも違うかも。

 

絵はがきとチケットをもらって中に入り、公演までドリンクを飲んで過ごします。

 

1ドリンクの考えも様々で、グラナダでは中にテーブルがあったし、セビリアでは飲み物を持って中へ入りました。ここはロビーでいただきます。

 

赤ワインを頼むと、お腹いっぱいになるサイズのナッツ類がついてきました。

 

時間になると階段を降りて洞窟のような会場へ。

 

雰囲気、あるでしょ。思ったよりも狭い空間で、ダンサーは近いけど踊れるのかな。

 

結論から言うと、このタブラオもよくありませんでした。スペイン語と英語の2ヶ国語でフラメンコの歴史を説明して、そこから公演に入るのだけど、うーん。いかにも観光客向け。

 

それにしてもフラメンコって、スペインに辿り着くまでにこんなに多くの国の影響を受けてきたということなのね。英語ではジプシー、イタリアではロマ、スペインではヒターオと言われる民族はインド北部の音楽に影響を受けてきたそうだし、そもそもイスラム教徒に統治されていたイベリア半島は、その文化にもルーツを持つものね。

 

打楽器にカホンがあったのは珍しかったです。ペルー発祥のこの楽器を知ったのは、デビューしたての→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)の演奏を偶然ネットで見つけて聴き衝撃を受けたのですが、彼らは今も活躍しているのかな。

 

フラメンコを見終えて夜のマドリードの街へ繰り出します。でも、やっぱりすぐに文字が読めないのがネックで、レストランへ行くのが億劫になってしまいました。考えてみると日本にいてもメニューを選ぶのは昔のように楽しくありません。ましてやスペイン語・・・

 

結局、Sol駅近くにあるショッピングモール「El Corte Inglés」のフードコートで足が止まりました。

 

日本でお惣菜を買うことはないのですが、こうして並んでいると味のイメージがしやすいので、選びやすい。

 

種類も豊富だし、もうこれでいいや、と。

 

結局かったのはこちら。左はビーフンっぽい麵ですが、誤算だったのは甘かったこと。右はタコのマリネ。日本でも食べるような組み合わせですが、スペインはタコを食べる数少ない仲間なので選んでみました。こちらはふつうにマリネ。

 

このショッピングモールに入っているスーパーでは、他よりもチョコレートの種類が豊富でおしゃれでした。

 

ちょっと高級に見えるのに、高くないのでおススメです。

 

翌朝は5時前にホテルを出なければならないので、早くにホテルへ戻ってワインを飲んで軽くつまむのもアリでした。でも、なーんとなくこの旅行では食事に重きを置けずに悶々。次の国はフランス、美食の街リヨンです。次こそは、頑張れるかな。

【スペイン】世界遺産トレド旧市街 スペインカトリックの総本山「トレド大聖堂」

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街について書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

スペインカトリックの総本山であるトレド大聖堂に来ています。チケットはオンラインで予約済み12EUR(1,930円)で、他の大聖堂より高い。でも、ここもセゴビアローマ水道と同じく、前回のスペイン旅行で断念した場所でした。「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言われているのに、2度目もなお計画から外れてしまったので、今度こそは。

 

トレド大聖堂の内部見取り図はこちら。クエンカ大聖堂、セゴビア大聖堂と同じく、主祭壇と聖歌隊席があり、側廊に沿って各礼拝堂、そして中庭のある造りです。

 

ただ入口の箇所が他とは違ったので、いきなり主祭壇と聖歌隊席へやってきたよ。1226年カスティーリャ王フェルナンデス3世の命を受けて建設が始まり、1493年に完成したというトレド大聖堂は、ブルージュ大聖堂を模して造られたと言われています。

 

聖歌隊席は2台のパイプオルガンが向き合う造り。金色に装飾された豪華な造り。これまであまり見かけなかったと思っていたせり出したパイプオルガンですが、スペインの大聖堂はすべてこのタイプでした。

 

真ん中には16世紀に製作された美しいゴシック様式のトレドの守護神、白いマリア像が立っています。

 

聖歌隊席の彫刻がとても細かい。

 

背もたれに描かれているのは、レコンキスタ終結したグラナダ征服の物語をモチーフとしています。

 

ひとつひとつ物語を辿っていきたいほど、人や馬の細かな描写が生き生きと描かれています。

 

座面に描かれた彫刻も表情豊か。クマや猿などの動物や食べ物も多く描かれていました。

 

聖歌隊席に向き合う主祭壇はゴシック様式

 

柵から手を入れて中を取りました。最も高い場所にキリスト。

 

高さが約30mもある主祭壇に描かれているのは、新約聖書によるキリストの生涯です。

 

最上段のキリストまで見上げると、美しいステンドグラスも目に入りました。

 

リブ・ヴォールト天井の際まで埋め尽くされたステンドグラス。

 

身廊をを真っ直ぐ見ると、天井のアーチが並び厳かな印象です。

 

壁面に描かれているのは、幼子キリストを運ぶ聖クリストバルの絵なのだけど、これじゃわからないね。子どもだったキリストが川を渡りたいと頼んだときに応じた人で、それ以来、旅行者の守護神とされているそう。

 

聖職者の間に入ると、聖母の生涯とキリストの受難からの13のシーンを描いた漆喰壁のフレスコ画に囲まれます。

 

天井はイスラム文化の入った豪華なムデハル様式

 

正面には1509年作の大司教の椅子。そして、気になるのはフレスコ画の下の方々。

 

歴代の高聖職者の肖像で、一番新しいのが下段右端のBraulio Rodríguez Plaza(ブラオリオ・ロドリゲス)で、2009-2019年にトレド大司教を務めていた人でした。現在の大司教は退任後ここに連なるのでしょう。

 

そして主祭壇の裏側の回廊にはトレド大聖堂の見どころのひとつ、スペイン・バロックの傑作といわれる大理石のトラスパレンテが見えてきます。
 
1721-1732年建築家ナルシソ・トメが建てたバロック様式の祭壇です。上部に楕円形の窓があり、柔らかな光に包まれています。

 

大天使に囲まれた祭壇画の細やかな彫刻と柔らかな表情に誰もが足を止めています。

 

聖母の座る椅子を支えるのもまた天使。両端の金のレリーフは左側では旧約聖書の一シーン、Abigail(アビゲイル)ダビデ王にパンとワインを捧げ、右側ではAjimelec(アヒメレク)ダビデにGolyat(ゴリアテ)の剣と聖別されたパンを手渡すところが描かれています。

 

側面の彫刻も精巧です。テーブルを囲んでいるシーンが描かれているので最後の晩餐なのでしょう。圧倒される作品です。

 

側廊には礼拝堂もいくつかあったようですが、他の大聖堂に比べて見られたとしても入られるところが少なく、印象に残っていません。

 

そんな中で見たのは、7世紀のトレド大聖堂San Ildefonsoに捧げられたサン・イルデフォンソ礼拝堂で、創設者の大司教など聖職者らが埋葬されています。

 

そしてまた聖具室では、天井に聖母の降臨が描かれた見事なフレスコ画が見られました。

 

正面の絵は、1587年El Greco(エル・グレコ 1541-1614年)の代表作のひとつ「聖衣剥奪」で、他にゴヤやカラヴァッジョなどの絵画が掲げられ、さながら美術館のよう。

 

残念だったのは宝物室を見損ねていたこと。ゴシック様式聖体顕示台コロンブスの持ち帰った金で制作されたもので、高さ2.5mもの眩い作品だったようです。

 

これはどこにあったのか記憶にありません。パティオがどこかにあるはずだと思っていたので、ここをそれだと思ったのかもしれません。

 

実際には、トレド大聖堂のパティオはもっと壮大な回廊に囲まれていました。壁一面に宗教画が描かれ、トレドの栄華が感じられます。

 

真ん中に噴水があり、石造りのカテドラルの中で憩いの場所。

 

回廊からは鐘楼が見えます。90mの高さを誇る鐘楼は、別の見学ツアーで上ることもできます。

 

聖歌隊席の裏側は静謐な空間。こちらからもパイプオルガンが向き合っているのがわかります。

 

観光客は他に比べれば多いのかもしれませんが、全体に落ち着いた雰囲気でした。礼拝堂は柵越しに見るだけなので印象に残りにくかった点はありますが、精緻な彫刻にはどれも目を奪われます。

 

ことにバラ窓をはじめステンドグラスは750枚のステンドグラスの美しさは必見。

 

市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)でクリスマスマーケットを開催中だったので、全景を撮れる場所がなかなか見つからなかったのだけど、ツアー民が何組も集まっていたのでここがベストなのでしょう。鐘楼と対を為す場所にあるのはモサラベ礼拝堂。当初は2つの塔が立つ予定でしたが、地盤に問題があって断念したそうです。

 

大聖堂はみるごとに規模が大きくなっていったので、逆に私はコンパクトでありながら礼拝堂も開放されていたクエンカ大聖堂の印象の方が深く残っています。トレド大聖堂の彫刻は他を圧倒するものではあったけれど、結局それを見る目がないのが残念です。

トレドはイスラム教、ユダヤ教キリスト教が緩やかに共存していた地で、大聖堂にもその影響が見られるはずなのですが、聖職者の間の天井ぐらいしか私にはわかりませんでした。こういうとき、ツアー参加の旅行はいいなと思います。